今日の日経新聞のサイトに「日経平均急反発日銀「ハト期待」で植田トレード再燃」という記事が掲載された。言われて久しい日銀のETF問題を思い出してしまう。
日銀の2023年3月末の財務諸表を見ると、資産としてETF残高約37兆円がある。原価ベースとのことだ。3月以降の相場の上がり調子を考えれば、時価40兆円は下らないのだろう。 2桁小さい程度ならともかく、そもそも、銀行制度の安定や金利政策をつかさどる日銀がこの規模感の株式資産を持つことは本来的にあるべきでもなく、異例中の異例のことだ。株式市場の価格形成やコーポレートガバナンスに対する悪影響がまず思いつく。現実的な売却には100年かかるという専門家もいるようだ。(参考 NHK 100年かかる?日銀積み上がったETF 出口は【経済コラム】)
日銀の純資産の規模をご存じだろうか?約5.5兆円だ。この純資産の規模とETF資産規模の比べればわかるように、普通に見れば、財務レバレッジをかけて株式を保有しているということになる。
この40兆円以上のETF資産残高は、国債残高581兆円に比べれば、とても小さく見える。しかし、いま加熱気味の株式市場の波を少しでも利用して、少しずつでもいいので、市場への売却を地道に進めるべきではなかろうか?
また、このように頭の良い人たちが考えても出口がない政策を実行した責任者たちは、どう考えているのだろうか。米FRBは、活発な質問が飛び交う記者会見をしっかりやるし、定期的に議会公聴会で3日くらいは質問攻めにあい、説明責任を果たそうとする。日本とは大違いだ。