外交・安全保障

「台湾統一」という未完の革命——中国のこだわりの正体

前編では、台湾が中国に統治されることで日本に生じる「実害」を一つひとつ検証し、従来の議論が想定するほど深刻ではないという結論に至った。では中国は、そもそも本当に「武力で」台湾統合を急ぐ理由があるのか。そしてアメリカは台湾に対して何をしてきた...
外交・安全保障

「台湾有事は日本有事」を解体する

2026年5月14日、北京の人民大会堂。習近平はトランプに向かって、台湾問題は米中関係で「最も重要だ」と訴えた。「処理を誤れば両国は衝突する」とも言った。だが米側の発表に台湾への言及はなかった。この非対称は、多くの示唆を与えている。台湾問題...
外交・安全保障

21世紀の「盾」と「急所」――アジア版NATOの虚像を超えて

石破前首相が唱えた「アジア版NATO」という構想がある。かつての冷戦構造を、海に囲まれたこの日本列島に無理やり接ぎ木しようとする、思慮不足なアイディアだ。17世紀以降の歴史の中で欧州がたどりついた集団防衛の論理を、歴史も国同士の距離感も異な...
米国経済

財政の逆説——危機が強制するアメリカ「再生の設計図」

帝国は衰退する。だが、すべての帝国が同じように終わるわけではない。ニクソン・ショック(1971年)を思い出すとよい。ドルと金の兌換停止は、当時「崩壊」と呼ばれた。だが実際には、変動相場制という新秩序の誕生だった。破壊が、より洗練されたシステ...
ノンジャンル

部活遠征バス事故が問うもの——形式か、実態か

福島県の磐越自動車道で、高校生が命を落とした。ソフトテニス部の遠征中だった。17歳だった。大人たちの不手際が重なった末の、あまりにも理不尽な死だ。心からの哀悼を捧げたい。最近、気になることがある。コンプライアンスや法令順守という言葉が氾濫し...
米国経済

対イラン戦略の「誤算」と、造られた強気相場が終わる時

トランプ政権の対イラン戦略は、イスラエルの楽観論を鵜呑みにした誤算から始まった。短期制圧を目論んだ米軍を待っていたのは、ホルムズ海峡をはさんだ睨み合いだ。この地政学リスクの変質は、軍事企業の株価に鮮明に現れている。年初からベネズエラ情勢と同...
外交・安全保障

イラン(ペルシャ)という「知性」の正体

イランという「知性」の正体イランは、大きな「産油国」や「宗教国家」としてのみとらえられがちだ。しかし、その歴史を少し調べれば、そこには数千年にわたり磨き上げられた、強固な「知性」の伝統が息づいていることがわかる。征服者を「逆征服」する文明の...
外交・安全保障

ゲーム理論で読み解くアメリカ・イラン対立の「出口」

投資家にまず提言したい。原油市場の価格チャートや、メディアが踊らせるヘッドラインを追うのは今すぐやめるべきだ。それらは演出された「虚構」かもしれないからだ。今、直視すべき唯一の真実は指標ではなく、物理的な現実――「ホルムズ海峡を無事にタンカ...
外交・安全保障

アメリカ帝国の弔鐘と「危機の20年」の再来

アメリカ・イスラエルのイランへの攻撃開始以降の最近の投稿を要約した。こうした流れの中で、筆者が予想する日本への影響は、一番良くて半年から一年のスタグフレーション。悪ければ(切はないが)、世界的なde-leveragingで株式と債権の同時暴...
外交・安全保障

19世紀英国と現代米国の奇妙な一致

19世紀の「太陽の沈まぬ帝国」英国と、1990年以降の「唯一の超大国」のはずだった米国。この二つの覇権国がたどった軌跡は、驚くような共通点を持っている。特に、中東・中央アジアという「世界の心臓部」への執着と、その代償としての破綻のプロセスだ...